「おにぎり浅草 宿六」の三浦さんと一緒におにぎりレシピを開発したのは、「dining kitchen Ruu」の今野さん。三浦さんが「イタリアンともフレンチとも違う、『今野』というジャンルを作り出す料理人」と称し、すごいものを作り出せると期待を寄せてコラボ。その結果、「おにぎりの可能性が広がった」と話す今回のレシピ開発には、どんなストーリーがあったのでしょうか。
スープはるさめ「ワンタン」、そしてスープはるさめ「わかめと野菜」にぴったりなおにぎりレシピが生まれるまでを振り返ります。
「ワンタン」の要素分解から始まった
レシピ開発
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スープはるさめ「ワンタン」に合うおにぎりの具として、今回は「オリーブガーリックおにぎり」に辿り着きました。オリーブとガーリックの組み合わせは、正直どう考えてもおいしいけど、「ワンタン」の中華スープ、さらに和風な白米と海苔に合わせて、ここまでおいしくなるとは思わなかったな。
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そうですね。レシピ開発のスタートは、ワンタンをふやかして分解するところからでした。
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今野さんのレシピ開発風景は、さながら実験ですよね。
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そうなんです。僕は料理を理科の実験だと思っているので(笑)。
そうして、スープはるさめを構成する具材の中身を分析したうえで「それにあう食材」を考えていきました。個人的には、スープはるさめとおにぎりを半分ほど食べ終わったら、そのままスープにおにぎりをダイブさせて食べてほしいんですよ。
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新しいスープはるさめの食べ方だ。
おにぎりの新しい可能性を引き出した
「洋風」レシピ
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スープはるさめ「わかめと野菜」に合わせた「ツナトマト」おにぎりも、最後はスープとおにぎりを一体にして食べてほしいですね。
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わかめの海鮮風なだしに「ツナトマト」のハーブとバルサミコ酢が利いて、一気に洋風でオシャレな味になりましたよね。「オリーブガーリック」も「ツナトマト」も、おにぎりの具としてももちろん優秀だけど、それぞれのスープと合わせて負けない味になったと思います。
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普通、おにぎりの具に水分が多いものってあまり使われないですよね。だけど、今回はどちらのレシピにも使っていて。なので、ご家庭で再現される場合は「オリーブガーリック」は玉ねぎ、「ツナトマト」はトマトの水分が出すぎないように、火を入れる時間だけ意識してもらえたらいいですね。
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逆に言えば野菜のフレッシュさを味わえる、新しい洋風おにぎりになったと思います。今回のレシピは、お互いに「ばっちりハマったな」っていう手応えがありましたよね。
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僕は普段から引き算を意識して料理を作るんです。できるだけシンプルに食材の組み合わせを考えて、最後にひと足しすると、それが自分のオリジナルになる。
実は最初の段階では、ツナトマトにバルサミコ酢は使っていなかったんですよね。だけど、「わかめと野菜」のスープに入れてみたら、なんだか物足りなくて。そこでバルサミコ酢を入れてみたところ、わかめの主張が酸味でうまく調和されたんですよね。
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今回のレシピは、僕のなかにあった「おにぎりに対する先入観」を取っ払ってくれたレシピでもあります。想像できる味と想像できる味の組み合わせで、まだこんなにもおいしさの可能性が眠っていたんだな、と。
みなさんのご家庭でも、どんどんいろんな食べ方に挑戦してみて、スープはるさめを使って新しいおにぎりを作るっていうのも、おもしろいんじゃないかと思います。